春日倉庫ブログ

朝日の教訓/69歳 軍行橋の笑い話

朝、5時30分。私は目覚まし時計より早く目を覚まし、眠気まなこで玄関を出た。69歳ともなると、身体はまるで古い時計のように正確だ。太陽より早起きだなんて、ちょっとした自慢になるかもしれない。いや、太陽だって「お前、まだそこかよ」と思っているかもな。
車に乗り込みエンジンをかける。私の相棒である軽トラックは23年選手。エンジン音はどこか「おい、また朝かよ…」と不平を言っているようだ。
171号線を走り、軍行橋に差し掛かった頃、空港の滑走路が視界に入る。ちょうどその時、ジェット機が空に向かって勢いよく飛び立った。その光景にいつも感心する。私も飛行機みたいにスピード感を持ちたいが、この歳ではせいぜい自転車が限界だ。
すると正面から朝日が顔を出す、真っ赤な光が目を射し、思わずサングラスを取り出した。「ふむ、これでスーパースターの気分だな。」と思ってバックミラーをちらりと覗くと、そこには白髪の寝癖だらけの自分がいた。
その後、職場に到着する頃には街もすっかり活気づいている。人々の生き交い、忙しそうに動いているのを見ると、「みんな同じ地球の住人だけど、それぞれ違う飛行機を操縦しているんだな。」と思った。
結局、私の教訓はこうだ。
「飛行機みたいに飛び立つ瞬間は大事だが、エンジンを温める時間も必要だ。」そう思いつつ、今日も軽トラックともに一日をスタートするのであった。